理事長コラム/Column
第7回/1に省エネ、2に省エネ、3,4がなくて5に省エネ
戦後日本の60年は右肩上がりであったことは誰しもが認めるところであります。どんな零細企業でも売り上げが今年100なら来年は120であることを当然であるに決まっている。それが一般的なマインドで、これを90で良いなどといったら首つりものであった。しかし21世紀に入ってからの日本は誰が見ても右肩下がり。これで日本のあるべき国家像を語れというのは困難極めている。シュリンクしていくだけの日本で、この先どうなるのかと聞かれても誰も答えられない。つまりみっともなくて誰も答えられない。
今までのどの政党も成長していくことを前提としてきたわけだから、とりあえず景気を良くするといえば当らずとも遠からず。小さくなる社会で「景気悪くなりますよ」などと時の首相は選挙でいえない。しかし昨年登場した自民党の安倍総理はアベノミクスと称して、国民に「景気を良くしますよ」と期待感を与え、消費税まで8%にアップしてしまった。私どもは経済の専門家ではないので、どうなるかは分からない。
学校だってもうはやダウンサイジングするしかない。18歳人口が減り始めた10年前からすべての大学が教育的なクオリテーを落とすことなくやっていくためには、一斉に定員削減などのダウンサイジングをすべき時に来ている。学校でも今年は40人から30人へとダウンサイジングを行い、徹底した経費節約を行うことにしている。こういった時代感覚は30代あるいは30代以下は抵抗なく了解している。
しかし日本では一般的に50代、60代がまだ実権を握っているから始末が悪い。シュリンクする日本、縮んでいく日本、静かな日本、人口の減る日本、縮みながらでも豊かに暮らせる日本で良いのだが、人口が増えて、市場が拡大し、経済が成長することを期待している。
この年金は100年持ちますと大言壮語したその翌年に年金制度は崩壊してしまった。右肩上がりはもはやイデオロギーや宗教に近い。だから立ち上がれ日本ではなく、たそがれ日本、昼寝しよう日本で良い。よって将来は今の移民政策を続ければ、江戸時代のように人口3000万人ぐらいの水準になってしまう。フランスなどは6000万人なのだから・・・・。日本はこれから人口が減って、経済も成長しない。けれどその移行期の中で、何とかしてベストパーフォーマンスしよう。この局面を頑張って凌ぎましょうといったことを熱く語る政治家の出現が望まれる。
国民はもう経済成長しないことは分かっている。まずはないことを前提として、だれも落ちこぼれがない、誰も路頭に迷わせないといった国を作ります。よって消費税を10%に上げてくださいと国民にいったら、国民は消費税の10%は認めだろう。
特に若い人々は体感で分かっているから、シュガーコーテングをしているような公約は、耳触りは良いけれど、本当は嘘だよねと見抜いている。これに比べて今、支持率が落ちてはいるがアメリカのオバマ大統領はアメリカの悪いところをはっきりというところが良い。今ここがダメです。現実を直視してください、でも頑張るよというところが良い。そう言われたら握手をしてしまう。
そして我々には選択肢には本当はあまりない。これとこれぐらいしかない。後はできません。こういうロジックを使えば、これを聞いた人はこの人の言うことは信用できる。
山形市議会議員の遠藤和典さんは12月定例市議会で「省エネ機器の導入や設備改善により、Jクレジット制度の認証などを得て、温暖化対策や財源確保につなげてはどうか」「市民による省エネの成果を身近に感じてもらうために、節電量を数値化して商品券などと交換できるポイントを付与する仕組みを検討してみてはどうか」といったすばらしい提案をしていた。
今これと似た取り組みをしている自治体は東京都と埼玉県しかない。脱原発、卒原発とは省エネと創エネで、原発依存をゼロとすることを言う。これを実現するための仕組み(アメとムチ)を作ることであると私どもは提案し続けてきた。ジャパネット高田ではないがアメとしてご褒美をあげるものも用意しなければならないのだ。