私の68年の人生の中で原発事故を3回見聞しました。スリーマイル島、チェルノブイリ、フクシマです。また天災か人災かを問わず、日本ではかなりの頻度で災害が発生しております。阪神淡路大震災、東日本大震災、御嶽山や口永良部島の噴火など枚挙にいとまが有りません。
世界を見渡してみれば、2004年12月26日のインドネシア・スマトラ島沖を震源とするマグニチュード9,1の大地震がありました。直後に起きた大津波がアチェ州を襲い、18万人の死者と行方不明者をだしました。スマトラ島と日本は自然条件が良く似ておりますが、大きく違う点が有ります。それはスマトラ島には原発が無かったことです。
ドイツのARD東京支局長は地震や津波のある日本で、原発が100%安全と言うのは不可能であり、日本政府は「世界一厳しい安全基準」といっているが、欧米の基準に劣る不十分であり、さらに電力会社の安全文化も未熟で、九電川内原発の再稼働は理解できないと申しております。またドイツではフクシマ原発事故後、脱原発を9割の住民が支持をしつつも、電気料金が上がるなど厳しい犠牲を払っているという。さらにアメリカでは廃炉のペースが新設を上回り、廃炉時代に入っています。(残念ながら新興国では原発建設が増加している)
2020年7月には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。東京都の舛添知事は20年を水素オリンピックと称し、選手村を水素社会のモデル都市に位置付け、燃料電池車をはじめとして、分散型水素エネルギー時代のシンボルとしたいと公言しております。
戦後70年、私どもは化石燃料や原発に依存した都市文明を形成し、その恩恵を100%享受してきました。しかしその都市文明が一極集中を生み、二酸化炭素の排出による地球温暖化の元凶となり、それに替わるエネルギーを模索してきた結果、水素エネルギーに到達しました。しかし水素に関しては国民の中では、まだまだ理解が浸透していないのが実情です。しかし今話題となっている木質バイオマスガス化発電などは木材チップを炭化し、それに1200度の加熱水蒸気を加えて水素ガスを取り出し、それに酸素と化学反応で起きる爆風でタービン発電機を回転させて電気を作るバイオマス水素発電所が山形県内で実用化しようとしております。またさらに有機物を嫌気発酵させてメタンを作りメタンを燃焼させてエネルギーを作るメタン発酵発電所なども実用化しております。
2030年頃にはバイオマスや太陽光、水等水素を作るための資源が豊富にあることから、もはや原子力や化石燃料に依存することはなくなり、水素エネルギー社会が到来いたします。
私は山形県環境技術専門校時代に、こんなに早く水素社会が訪れるとは予想もできず、まことに不勉強で恥ずかしい限りです。今からは原発再稼働や原発の是非などの議論は不要となり、即廃炉を決め、水素を中心とした分散型エネルギー社会の仕組みを構築する議論を始めることが重要となります。
この度、当法人は旧上山市立児童館をお借りして「みどりの学校」を開校することにいたしました。水素社会に向かって、これから主役となる水素について学んだり、身近な物で電池(おカネ電池、果物電池、人間電池、燃料電池、太陽電池)などを作ったりして、水素社会の主役となる子供たちへの環境教育を行う事業が必要であるという事です。興味のある方は是非ご参加ください。