愛媛県伊方原発が再稼働したようです。鹿児島川内原発をはじめとして猛烈な勢いで再稼働に進んでいます。アベノミクスに代表される経済成長をするためには原発の再稼働が欠かせない一派と、日本は地震および火山列島でもあり、何が起こるかわからない自然の猛威に対して原発再稼働は危険極まりないので再稼働をやめて廃炉にすべきであるという一派で、国論はまた裂き状態にあります。公共放送といわれるNHKもあまりにもかみ合わない議論であるため特別番組すら組めない状態となっております。
そこで提案があります。近代文明における最低限のルールについてです。それは利益を得る人はリスクも背負わなければならいというルールのことです。例えば企業の経営者は自らの財産や命を懸けて企業を設立し、必ず成功する保証もないのに社員を雇用して事業活動を行います。それは利益を得るためです。よって失敗すればすべてを失い、破産まで覚悟しなければなりません。しかし確率は低いのでありますが成功すれば多くの利益を得ることができます。これがここ200年の近代文明のルールです。
これを原発再稼働に当てはめれば原発再稼働にて利益を得るのはまず電力会社、それから融資をしている大手金融機関、そして電源3法という法律にて立地自治体に迷惑料としていただいている立地自治体の皆さん。
そこで原発再稼働において最も高いリスクである高レベル放射能廃棄物、いわゆる「核のゴミ」の最終処分場について政府は科学的有望地を年内に示し、全国各地で説明会を開催するといっております。ちょっと待ってください。私どもはまったく原子力発電所からの利益をうけておりません。近代社会のルールに従えば、利益をこうむった地域に最終処分場を建設するのが筋なのであり、原発再稼働に同意した福井県、鹿児島県、愛媛県の県民の方々、当然自らの県内から排出される高レベル放射性廃棄物処分場は自らの県内に建設しなければなりません。
それを何ら利益の享受しない県外に最終処分場を建設してもらうなどということはルール違反となります。そういった近代文明のルールに従えば、利益を受けていないところで最終処分場など受け入れるわけはありません。ということは原発を再稼働することはできないということになります。ただいま目先の利益に目がくらんで、再稼働に同意されている県民の方々、またはこれから再稼働に同意を準備されている県民の方々、ちょっと立ち止まって考えてみる必要があると思いますがいかがですか。