新年あけましておめでとうございます。 昨年はEU離脱を決める英国国民投票、米大統領選挙などで事実と異なる言説が横行しました。端的に言えば「ウソ」がまかり通ったということです。
日本でも「ポスト トウルース」的言説は多いのです。典型的なものは疑似科学。占いは血液型診断から始まり、マイナスイオン、活性水素水まで枚挙にいとまがありません。
風力発電など再生可能エネルギーに由来する発電所をこれ以上増やすことが難しいという議論があります。系統が不安定化したり、火力発電所の増設が必要になったりするという理由です。このような主張は真実なのだろうか?デンマークの例から見ると風力発電の比率が100%を超え、さらに1日を通して70%以上の比率を維持しながらも何ら問題はありませんでした。
また風力発電などの再生可能エネルギーを用いた発電所は出力が大きく変動します。その変動を吸収するのに、これとほぼ同じくらいの火力発電所を用意しなければならないというのも従来からの真実であるといわれてきました。またその他に出力調整のために大規模蓄電池の導入すら必要であるといわれました。この主張は正しいのだろうか?
デンマークでは系統連系用の大型蓄電池は導入しておりません。その答えは国際連携にありました。近隣にあるスエーデン、ノルウエー、ドイツ、オランダへの電力貿易港であるかのようでした。
つまり日本国内に置き換えてみるとデンマーク電力の規模は北海道電力、四国電力、北陸電力とほぼ同程度です。そのほか東北電力、東京電力、関西電力、中国電力、九州電料の規模はドイツ、フランス、ベルギー、ポーランド、オーストリア、フィンランドなどと匹敵する規模となっております。確かに日本のど真ん中に周波数の違いがあり、系統連系を自由に行うことには障壁はありますが、連携戦線を増強すれば事足りることがわかりました。
今年は原発の再稼働を止め、化石燃料に依存しない再生可能エネルギー中心のエネルギーを増やさなければなりません。そのためにはどうしてもポスト トウルース(嘘や神話)を破壊しなければなりません。今年もよろしくお願いいたします。