環境技術で就職・自立を支援 本校は厚生労働省が提唱する緊急人材育成事業の一環として、再就職や自ら起業を目指している人を支援するため設立されました。環境を教える訓練校は全国的にも例がなく、特に最新の技術や環境法の改定など社会の実情を反映した訓練内容と、実際に環境や省エネで活躍されている講師陣の指導により、環境をビジネス化するチャンスが大きく開けます。
エネルギー消費量の診断技術者 改正省エネ法が今年4月より施行され、年間のエネルギー使用量が原油換算で1500Kリットル以上使用している事業所はじめ地方公共団体の建築物、及びコンビニなどの店舗や300室以上のホテル、テナントビルなどが、毎年7月までに経済産業省に対し10%以上の省エネ義務を報告することになっています。我が国では54万件の公共建築物が存在するとされ、これら建築物で使用するエネルギーを診断し報告書を作成できる技術者は非常に少ないのが実情です。
再生可能エネルギーの原理から廃棄処理物処理の基本まで 環境と一口でいっても範囲が非常に広く学ぶべきことは多岐に渡ります。その中からビジネスとして期待されるソーラーエネルギーや風水力発電、バイオマス発電などを特に集中的に指導されます。1年間の訓練修了時点では、自分の進む道が開けることでしょう。 また、エネルギーを消費すればそれに伴う副産物として様々な廃棄物が生成されます。事業所などから排出される産業廃棄物や下水処理場からの一般廃棄物などに区分され、これらの処理について廃棄物処理法により厳しく管理されています。本校では廃棄物の減量化の可能性を追求し、最終的には資源として活用を目指します。
資格取得を支援します 省エネ法では、年間のエネルギー消費量が一定基準以上の事業所・工場にはエネルギー管理士の免許を取得した管理者を選任しなければならないとされています。エネルギー管理士の試験に合格するには、一般試験もしくは省エネルギーセンターが主催する認定講習を受講しなければなりません。一般試験は非常に難易度が高く合格率が数パーセントと、相当勉強しなければなりませんし、講習受講では受講料と2週間の講習期間が、一般のビジネスマンには抵抗があるようです。本校にはエネルギー管理士受験に向けた科目が用意され、一般試験合格への指導を適切に行っています。 また省エネ診断するには有効な「ビル管理士」や下水処理には欠かせない「浄化槽管理士」などの取得に関しても、座学と実務訓練を充実させています。
この度、行政はじめ関係者のご支援をいただき、悲願でもありました山形県環境技術専門校を開設することができました。この場をかりて、深く感謝申し上げます。 これまでのビジネス教育を見ますと木工、旋盤、金型、パソコンといった道具の使い方や資格の取得を教えることだった。しかし今からはこのスキルだけを学んだ人材では新しい経済社会に打ち勝つことが出来ない時代となってきている。
それには4つの条件が必要ではないかと考えている。 1つ目は柔軟な発想 我々がモデルとするのはレオナルド・ダビンチ。軍事教師であり、建築家同時に色彩、光、幾何学、解剖学を学び「モナ・リザ」を生み出した。 2つ目は批評的な精神 今二酸化炭素は悪者のシンボルとなっている。本当にそんなに悪者なのか?私どもの生命は還元状態にある炭素からしかエネルギーを取り出すことができない。私どもの食糧も、産業に使われている石油、石炭もすべて還元状態にある炭素化合物です。これらを燃やしてエネルギーを取り出した後のカス、それが酸化状態にある二酸化炭素である。それを光エネルギーで還元状態の炭素化合物(ブドウ糖)に戻すのが光合成。私ども地球に生存する生命はこの厄介者と言われている二酸化炭素がなければ生きていくことはできない。ただ今はバランスが崩れているだけであって巷に言われるような悪者といった視野では環境問題を語る資格はない。 3つ目は世界的な視野 例えば中国。今は元気だが100年後には成長を続けているだろうか?90年代に行われた一人っ子政策は近い将来超高齢化社会となり、高齢者を支える若者が少ない。また中国では18歳から25歳までの男性の70%が喫煙者である。さらに世界の人口は毎年8000万人増えている。現在68億人、2050年には92億人となる。92億人の食糧を、水を、エネルギーをどうするか?この人口問題を見ずして環境問題は語れない。 4つ目はインベンションからイノベーションにつなげる力の育成だ! 無尽蔵でもある太陽エネルギーを利活用したソーラー発電の半導体モジュールはインベンションだ。しかしソーラーシステムへの投資を回収するには3.5年以内で行う新技術の開発、考案(イノベーション)が求められる。この4つの課題を学ぶのがこの環境技術専門校の役割と考えている。よって私は今ここで学んだ訓練生が1年後には山形県内企業、NPO等において中心的な存在として大活躍していることを夢見ている。